寺田寅彦くんの名言として「天災は忘れたころにやってくる」がある。この名言のベースとなった随筆「天災と国防」を読んでみても、それらしいことが書いてだけ。その後、弟子であった中谷宇吉郎くんが、随筆の要約として語ったらしいことが分かったのだ。
東京日日新聞に宇吉郎くんは、寺田先生の思い出として「天災は忘れたころにやってくる」と書いたらしい。そいうしたら、この言葉だけが一人歩きを初め、寅彦くんの「『天災と国防』のどこに書いてある」という非難が殺到したという。困ったのは宇吉郎くんだ。「天災と国防」の中で意味することが述べられているとして、何とか乗り切ったらしい。
ここまでの話しなら、どこかで聞いたことがあるだろう。宇吉郎くんのエッセーを読んでいたら、なんと偉い学者先生も寅彦くんの随筆の中に示されていると思っていたそうだ。寅彦くんの影響力たるや恐ろしいものだな。そんな力は、こちらにはまったくないぞ。
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