老齢になった漫画家が語っていた。修行時代は、ともかく金がなく、漫画を画く練習をするために、わら半紙を2000枚も買ってきたという。有名にはなったが、いまや高齢者の仲間入り……。芸術系では、その世界で名を上げるには長い練習期間が必要なのだ。
読んでいて引っかかるのは「わら半紙」という製品名だ。見た記憶はあるが、このところお目にかかったことはない。同じ思いをする人はいるもので、探し回ってようやく見つけたという。一般的なコピー用紙よりも高価で、まさに特注品扱い。製紙技術も進歩しているので、わら半紙は需要がないらしいのだ。しかし、必要とする人も少数だけはいる。
大昔の製品を現代の人に見せて、「何に使うのか」と尋ねるテレビ番組があった。その番組にわら半紙が登場するには、まだ早すぎる。いやテレビですらパソコンやスマホに駆逐されつつある世の流れだ。高価なわら半紙より、安価なコピー用紙の方が使いやすい。
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