2023-11-15

完璧すぎる訂正方法

 青空文庫のサイトを開けば、著作権が切れた書物を読むことができる。寺田寅彦くんのエッセーもその一つで、その数も多いからポツポツと気の向いた時に読んでいる。その中で「田丸先生の追憶」がある。寺田くんが書いているという事は、たぶん変人なのかな。

 読んでみると、あまりにも几帳面な性格の人だ。英文の訂正をお願いすると、まずエンピツで修正する。次に万年筆でキチンと書き入れて、エンピツの下書き部分をしゴムで消すらしい。最後の消す作業のときは、さすがに寺田くんも「私がやりますから」と言ったようだが、名を残すような人の先生というのも、これまた完璧主義のような性格だね。

 その先生の言葉に「やるという事がハウプトザッヘだ」があるらしい。なんだ、「ハウプトザッヘ」って? ドイツ語で「主眼、眼目、肝心」という意味のようだ。ヘタであろうが、実行してみるということが大事ということかな。偉い人には、そんな先生もいる。

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