2024-03-12

ストレス解消法としての落語

 初めて寄席で落語を聞いたのは、友人に連れて行かれた大学生時代だった。落語と落語の間に入る色物(漫才、手品、曲芸など)も楽しいのだが、ヘタクソな演者だと客からの失笑を買う。空間にものを浮かべるマジックだと、操作用の透明な糸まで見えたからね。

 ラジオやCDなどで、ベテラン落語家の話を聞いてみるのだが、いまひとつ面白くない。気分が乗らない、いや気分が出てこないというのが正解かな。なんでだろうと考えてみると、たぶん場の雰囲気だろう。寄席へ行けば、寄席なりの雰囲気がある。落語家でもベテランともなると、その場の気分を盛り上げるテクニックがうまいとしかいえないのだ。

 地方大学の落語部の落語を聞いたことがある。演者は面白がっているが、聞いている方はちっとも面白くない。たとえ同じネタでも長続きする方法を身につけるには、やはり修行が必要なのだろう。〝トリ〟まで到達するには、どういう方法かは知らないけれどね。

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