修験道の峰入り修行に参加していた時だった。修行場である霊山には「天狗の相撲場」という崖から突き出た円形の広場があり、ネットでも動画で相撲を取っている登山者の姿が掲載されていた。おいおい、天狗の相撲とはそうやるんじゃないよと思うのだった。
天狗の相撲場で先輩修行者から、やり方を教えてもらって一緒に体験させてもらったことがある。お互いに1本の錫杖の両側を持ち、押したり引いたりして勝負するのだ。勝負に負けた方は、突き出た崖から真っ逆さまに落下! エイヤアと声を出しながら錫杖を引いたり押したりしていると、これがなかなかに面白い。これが天狗の相撲なのだ。
山での修行中にちょっとした気休めの場としてあったのだろう。崖から身を突き出して吊り下げられる〝覗きの行〟も行なったわけだが、こういう行ばかりでは疲れるからね。天狗の相撲場における本来のやり方は、カラス天狗に登場していただき教えてもらえ。
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