いまでこそ南極観測基地から現地の石などを持ち帰ることは、許されないことだ。オレ様が通っている床屋の道具棚の上には、むかし南極観測隊員だった客からお土産としてもらったという南極の石が飾ってある。現地の石も持ち帰れる優雅な時代だったのだ。
先日も床屋へ行っている時、その石をみてふと思った。南極の基地で、隊員らはどうやって散髪しているのだろう。隊員の中に床屋がいるはずもないし、いたとしても隊員全員を散髪したところですぐヒマになる。ちょっと床屋のオヤジに聞いてみたのだった。
やはり床屋のオヤジも昔は疑問に思ったらしく、ちょっと聞いてみたらしい。そうしたら「隊員同士で散髪しあう」らしく、変な髪型になったところで「誰に見せるわけでもない」という。隊員以外に見られたところで、せいぜいペンギンぐらいなものか。
南極基地とは人間社会から隔離された特殊ゾーンではないのか、と思うのだった。
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