2023-05-09

「シャボン玉のような〇〇〇」という例え

 著作権の切れた文学作品を公開している青空文庫で、賢者・寺田寅彦くんの随筆を読んだ。現代ならエッセーというべきかな。テーマは映画に関するものだが、その中に面白い例えが出ていたのだ。なんとシャボン玉に関する例えで、いくつか続けて出現する。

 フランス映画に関する評価だ。「シャボン玉のようなロマンス」とは、どんなロマンスだと思うではないか。ちょっとしたけんかに対しては、「シャボン玉のようなけんか」らしい。ピストルを撃つシーンについては、街灯を「シャボン玉のようにこわす」。寅彦くんの生きていた時代というより、脳みそをしぼり出して考えた例えなのだなと想像する。

 賢者の使った方法は、すぐにマネをするのがオレ様だ。だからといって、このところシャボン玉を吹きながら遊んだ記憶もない。すぐに忘れ去られるオレ様の文章だから、〝シャボン玉のような文章〟ではどうか。面白くない……。もっともっと考える必要があるぞ。

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