2023-05-01

変人は覚えている

 明治時代を代表する作家といえば、やはり夏目漱石くんが筆頭であろうであろう。若き頃の漱石くんは学校の先生だったことは知っているだろうけど、彼が世を去ってから1ヵ月ほどが過ぎたころ、元同僚だった先生から思い出をつづった分厚い手紙が届いたのだ。

 漱石くんのことを、よくもまぁこれほど覚えていたもんだと、寺田寅彦くんらの弟子は思ったらしい。超変人だった同僚らしく、過去の思い出として漱石くんも面白おかしく語っていたという。しかし手紙によると、詳細に記録していたようで、今日でいえばメモ魔だったのかな。そのメモをしている姿を他人に知られていなかったことも、すばらしい。

 寺田寅彦くんは、その手紙を研究室に保管していったらしいが、時は運悪く関東大震災。その手紙も行方不明になった。世の中、変人とは思いもつかない記録を残しているものだな。いまはネット時代なので、賢者たるオレ様の文書もアーカイブされていたりしてね。

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