2025-09-01

空想家系図を作る

 「徳川家康の子孫」などと語ろうものなら、こいつはバカかと思われるのに違いない。欧米や中東などの諸国でも「○○王朝の子孫」と触れまわるなら、たちまち精神病院に連れて行かれるだろう。先祖自慢をするヤツをやゆすることわざだってあるくらいだ。

 売れない小説家のような人が、「空想家系図」を作ればよいと語っていた。なるほど、これはおもしろい。好きな小説の主人公に連なる傍系と言ったところで、古い家系図があれば信用する人もいるに違いない。寺社には過去帳があるから、「調べてごらん」と言ったところで実際に行動に移す人などゼロだろう。そもそも耳を貸す人もゼロに違いない。

 世界に目を向ければ、過去の遺跡は海の底にある。2011年には日本でも東日本大震災があり、石に名を刻んだところで海の底だ。空想家系図も一案だが、パソコンで作っては意味がない。変色した紙の巻物に、なによりも墨文字で書かれている必要があるだろう。

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